パルミジャーノ・レッジャーノ・ヴァッケ・ロッセ

パルミジャーノ・レッジャーノ・ヴァッケ・ロッセ
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    パルミジャーノ・レッジャーノ・ヴァッケ・ロッセ(Parmigiano Reggiano Vacche Rosse)は、通常のパルミジャーノ・レッジャーノと同じDOP認定チーズでありながら、原料乳を「レッジャーナ種(Reggiana)」と呼ばれる赤みがかった毛並みの牛の乳のみに限定した希少なバリエーションです。「ヴァッケ・ロッセ(Vacche Rosse)」はイタリア語で「赤い牛」を意味します。

    レッジャーナ種は北イタリア原産の古い牛の品種で、6世紀頃にゲルマン系民族がイタリアに持ち込んだとされています。パルミジャーノ・レッジャーノの歴史において長くメインの品種でしたが、第二次世界大戦後に生産効率の高いホルスタイン種(イタリア語でフリゾーナ種)への転換が進み、1980年代末にはごくわずかな頭数しか残らない状況まで激減しました。
    絶滅の危機を受け、1990年代初頭にレッジョ・エミリア県の生産者グループがコンソルツィオ・ヴァッケ・ロッセ(Consorzio Vacche Rosse)を設立して品種保護と復活を始め、現在は専用のガイドラインに基づいてチーズが作られています。GMO不使用の飼料と牧草のみの給餌、動物福祉への配慮が義務付けられています。

    レッジャーナ種はホルスタイン種より約3分の1少ない乳量しか出しませんが、乳の質が異なります。脂肪分・タンパク質・カゼイン(乳を固めるのに必要なタンパク質)の含有量が高く、特にベータカゼインのBとKというバリアントが豊富に含まれており、これが長期熟成への適性と消化しやすさに関係しているとされています。
    熟成は最低24ヶ月から行われ(通常のパルミジャーノ・レッジャーノの規定は12ヶ月)、30・40・60ヶ月以上のものも生産されます。2年目に品質検査が行われ、合格した車輪にのみ特別な「ヴァッケ・ロッセ」の刻印が押されます。

    通常のパルミジャーノ・レッジャーノとの違い

    パルミジャーノ・レッジャーノとしての規格・製法・産地はまったく同じです。最大の違いは原料乳がレッジャーナ種(赤牛)のみであること、そしてその乳質の差から生まれる風味と熟成特性にあります。
    通常のパルミジャーノ・レッジャーノは主にホルスタイン種の乳を使いますが、ヴァッケ・ロッセはレッジャーナ種の乳の豊富なカゼインと脂肪分により、より凝縮した旨みと長期熟成に耐える構造を持ちます。生地の色は飼料(牧草や干し草)に含まれるカロテンの影響で麦わら色がかった黄色みを帯びており、通常品よりわずかに色が濃い傾向があります。
    長期熟成させても通常品より柔らかくしっとりした口当たりが保たれやすいのも特徴で、30〜40ヶ月以上の熟成でも繊細な風味が損なわれにくいとされています。

    パルミジャーノ・レッジャーノ・ヴァッケ・ロッセの写真

    チーズ オン ザ テーブル 大丸心斎橋店で2014年9月当時100gあたり1,300円で内容量109gなので1,417円(税込1,530円)でした。
    セミハードチーズの「オールド・アムステルダム」も一緒に購入しました。

    味と食べ方(ペアリング)

    通常のパルミジャーノ・レッジャーノと比べ、甘みと旨みがより豊かで複雑な風味を持ちます。ナッツ・干し草・フルーティーな香りが重なり、長期熟成品ではアミノ酸の結晶がザクッとした食感を加えます。口当たりはしっとりとしてなめらかで、後味の余韻が長く続きます。消化しやすく乳糖(ラクトース)をほぼ含まないため、乳糖不耐症の方も食べやすいチーズです。

    そのままかじったり小さく割って食べるだけで、凝縮した旨みを楽しめます。伝統バルサミコ酢(アセト・バルサミコ・トラディツィオナーレ)を少量かけるのがエミリア・ロマーニャ地方の定番スタイルです。野花のはちみつや洋梨との組み合わせも風味を引き立てます。
    パスタ・リゾット・カルパッチョの仕上げに削りかけたり、スープに加えるなど料理への活用も幅広いです。

    ワインとの相性は、フランチャコルタ(ブラン・ド・ブラン)や、しっかりとしたリパッソ・デッラ・ヴァルポリチェッラなどが合うとされています。バルサミコ酢と合わせる場合はコクのある赤ワインが全体をまとめます。

    購入店

    • チーズ オン ザ テーブル 大丸心斎橋店(2014年9月)
    分類
    🧀ハードチーズ🧀ナチュラルチーズ🇮🇹イタリア🐄