フェタ

フェタ(Feta)は、ギリシャ原産の白い塩漬けチーズです。
羊乳、または羊乳と山羊乳を混合して作られ(山羊乳は全体の30%以下)、塩水(ブライン)の中で熟成させることで独特の風味と保存性を得ています。白色でもろい質感が特徴で、外皮はなく、塩気が強くさわやかな酸みを持ちます。
歴史は非常に古く、紀元前8世紀にはすでに記録があり、古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』にも登場します。もともとは木製の樽や編みかごの中で塩水漬けにして作られており、地中海の牧畜文化と深く結びついた伝統食品です。
現在はEUのPDO(保護原産地名称)の認定を2002年に取得しており、「フェタ」と名乗ることができるのはギリシャ国内の指定地域(主にマケドニア、スラキア、エピロス、テッサリア、中央ギリシャ、レスボス島)で伝統的な製法によって作られたものに限られます。
2022年には欧州司法裁判所が「フェタはギリシャのものである」と判決を下し、デンマークなど他国が欧州連合外でも「フェタ」の名称を使って輸出することはできないと裁定しました。
白い色は、原料の羊乳・山羊乳に牛乳と違いカロテンがほとんど含まれないためで、脱色や色素は使用していません。
チーズとしての分類ですが、フレッシュにはなっていますが作るまでにある程度期間が必要であり、塩漬けで熟成が進行しないとはいえ熟成チーズとも言えますし、使っているミルクからシェーブるとも言えますし、柔らかくもないためセミハードとも言え、どこに属するのか判断が難しいチーズです。
「フェタ」と名乗れないフェタ風チーズについて
フェタの世界的な人気を受けて、デンマーク・ドイツ・フランスなどでも長年にわたって似たようなチーズが「フェタ」という名称で生産・販売されてきました。これらは牛乳で作られるものが多く、風味や食感がギリシャのフェタとは異なります。
EU内では現在これらを「フェタ」と表記することは認められていないため、「サラダチーズ」「フェタスタイル」「ブライン熟成チーズ」などの名称で販売されています。
日本で流通しているフェタには、PDO認定を受けたギリシャ産のものと、デンマークなど他国産の「フェタ風」チーズの両方が存在します。本来のギリシャ産フェタは羊乳・山羊乳を使うため風味がより複雑でコクがあり、他国産の牛乳製のものはよりマイルドで価格が手頃という違いがあります。どちらを選ぶかは用途や好みによりますが、本場の風味を楽しみたい場合はギリシャ産PDO認定品を確認するのがおすすめです。
フェタの写真
ギリシャのMEVGAL(メヴガル社)のフェタチーズで、現地のPDO(原産地名称保護)認定商品。 羊乳(70%以上)と山羊乳(30%以下)の混合乳でした。 2014年8月に成城石井 名古屋駅広小路口店で購入。
Taverna社のØkologisk Græsk Feta (オーガニック・ギリシャ産フェタチーズ)。 羊乳・山羊乳の混合ミルクで150g。 2015年9月に成城石井 ルミネ横浜店で購入しました。
Taverna社のフェタチーズ入りサラダ「Salad Cheese in oil」です。 成城石井 ラスカ小田原店で購入、2015年12月当時内容量150gで499円(税込539円)でした。
ギリシャ産のオーガニック(有機)フェタチーズ、Taverna社のBio-Organic Fetaです。 2018年11月成城石井で購入しました。
味と食べ方(ペアリング)
味わいは塩気が強く、ほどよい酸みとさわやかなミルキーさが特徴です。羊乳由来のほのかな旨みとコクもあり、単純な「しょっぱいだけ」ではなく複雑な風味があります。質感はもろくてくずれやすく、手でほぐしたりフォークで崩したりすることが多いです。加熱するとやわらかくなりますが、モッツァレラのようにのびて溶けることはありません。
最も定番の食べ方はギリシャサラダ(ホリアティキ)への活用です。トマト・きゅうり・玉ねぎ・カラマタオリーブと崩したフェタをオリーブオイルとオレガノだけで和えるシンプルなサラダは、地中海料理を代表するひと皿です。ほうれん草とフェタを包んだ「スパナコピタ(ほうれん草パイ)」もギリシャの郷土料理として有名です。
サラダ以外でも、パスタや焼き野菜のトッピング、オムレツやキッシュへの混ぜ込み、ピザの仕上げにも向いています。オーブンで焼くとまろやかになり、はちみつをかけてデザート感覚で食べる食べ方もギリシャでは親しまれています。
ハーブとの相性が特によく、ミント・バジル・オレガノ・ディルと組み合わせることでフェタの塩気と酸みが一層引き立ちます。ピタパンやバゲット、クラッカーに崩してのせるだけでもおつまみとして十分です。
ワインとのペアリングは、ギリシャのアシルティコ(サントリーニ島の白ワイン)が産地ともマッチする理想的な組み合わせです。辛口の白ワイン全般やロゼとも相性がよく、爽やかな酸みのあるワインがフェタの塩気と調和します。赤ワインと合わせるなら、渋みの少ない軽めのものが向いています。
購入店
- 成城石井 名古屋駅広小路口店(2014年8月)
- 成城石井 ルミネ横浜店(2015年9月)
- 成城石井 ラスカ小田原店(2015年12月)
- 成城石井( 2018年11月)




