リコッタ・サラータ

リコッタ・サラータ(Ricotta Salata)は、イタリア産の羊乳(またはその乳清)を原料とするセミハードチーズです。
「リコッタ(Ricotta)」はイタリア語で「二度煮た」を意味し、チーズを作った後に残るホエー(乳清)を再び加熱して作るのが基本的な製法です。「サラータ(Salata)」は「塩漬けの」という意味で、出来上がったリコッタを塩漬けにして水分を抜き、型に入れて押し固めてから熟成させたものがリコッタ・サラータです。
発祥はイタリア南部のシチリア島とサルデーニャ島で、数百年にわたって地中海料理の定番食材として使われてきました。もともとはペコリーノ・ロマーノやその他のチーズを作る際に出るホエーを無駄なく活用するための知恵から生まれたチーズで、保存性の低いフレッシュリコッタを長持ちさせるための手法として塩漬け・圧搾・熟成が加えられるようになりました。熟成期間は最低でも3ヶ月程度で、それ以上熟成させるほど風味と硬さが増します。
シチリアの代表的な郷土料理「パスタ・アッラ・ノルマ(揚げナスとトマトのパスタ)」には欠かせない食材として広く知られており、地中海料理全般においてパルミジャーノ・レッジャーノとは異なる軽やかな塩気のアクセントとして重宝されています。
リコッタチーズとの違い
名前が似ているため混同されることが多いですが、リコッタ・サラータと一般的なリコッタチーズは別物です。
一般的なリコッタは水分を多く含むやわらかいフレッシュチーズで、賞味期限が短く、スプーンですくって食べるような食感です。ティラミスやラザニアに使われるふわっとしたクリーム状のリコッタがその代表です。
一方リコッタ・サラータは、そのフレッシュなリコッタを塩漬け・圧搾・熟成させることで水分を大幅に除いたもので、食感はしっかりとした固さがあり、崩しやすく削りやすい性質を持っています。口に入れるとほろっと崩れる独特のもろさが特徴です。
風味面では、フレッシュリコッタのやさしいミルクの甘みを残しながら、塩気とほのかな酸みが加わり、より複雑で深みのある味わいになっています。加熱してもモッツァレラのように溶けてのびることはなく、料理に塩とコクのアクセントを加える調味料的な使い方が向いています。
リコッタ・サラータの写真
渋谷のアンドチーズスタンドで購入。「出来立てのリコッタに塩をつけ乾燥熟成させたチーズです。ミルク感のある塩味とうま味。削ってサラダや料理のトッピングに。ワインのおつまみとしてもお楽しみください。」と説明書きがありました。
リコッタサラータ120、2017年4月当時税込1,170円でした。
味と食べ方(ペアリング)
味わいはやさしい塩気とほのかな酸み、羊乳由来のミルキーな甘みが重なり、クセがなく上品な風味です。塩辛すぎず、それでいて料理全体の味を引き締める存在感があります。熟成が長いものほど風味が凝縮されてシャープになります。
最もポピュラーな使い方は、パスタやサラダの上に削りかけるか崩して散らすことです。トマトソース系のパスタとの相性が特によく、シチリアの「パスタ・アッラ・ノルマ」のように揚げナスやトマトとの組み合わせが定番です。ルッコラのサラダに崩してのせると、胡椒の辛みとチーズの塩気が絶妙なバランスになります。
ズッキーニや茄子などの焼き野菜・グリル野菜のトッピングにも向いており、素材の甘みをチーズの塩気が引き立てます。ブルスケッタやクロスティーニの上に乗せてもよく合います。
熟したいちじくやはちみつとの組み合わせは、チーズの塩気と甘みのコントラストが楽しめるデザート感覚のペアリングとして知られています。
ワインとの相性は、軽めの白ワイン(ヴェルメンティーノ、グリッロなど南イタリア・シチリアの品種)が産地ともマッチしておすすめです。辛口の白ワインや軽めのロゼとも合わせやすく、赤ワインと合わせる場合はサンジョヴェーゼやネロ・ダーヴォラなど中程度のボディのものが向いています。
購入店
- アンドチーズスタンド (& CHEESE STAND)(2017年4月)




