プロヴォローネ

プロヴォローネ(Provolone)は、イタリアで作られる牛乳製のパスタフィラータ(練り引き)系チーズです。
パスタフィラータとは、加熱したカードを練り伸ばして成形する製法のことで、モッツァレラやカチョカヴァッロと同じカテゴリに属します。モッツァレラをそのまま食べるのに対し、プロヴォローネは成形後にひもで吊るして乾燥・熟成させることで水分が抜け、セミハード〜ハードな質感に仕上がります。この「吊るして熟成」という特徴ある作り方がプロヴォローネの大きな個性のひとつです。
起源はイタリア南部のカンパニア州(ヴェスヴィオ火山周辺)で、そこで生まれた製法が19世紀末頃に北部のロンバルディア州・ヴェネト州へと広まり、現在の生産の中心はクレモナを擁するヴァルパダーナ地域となっています。
ヴァルパダーナ産のプロヴォローネは「プロヴォローネ・ヴァルパダーナ(Provolone Valpadana)」としてEUのDOP(原産地名称保護)認定を1996年に取得しており、ナポリ近郊で作られる「プロヴォローネ・デル・モナコ(Provolone del Monaco)」も2010年にDOP認定を受けています。
「プロヴォローネ」という言葉は「大きなプロヴォラ」という意味で、小型のものは「プロヴォラ(Provola)」と呼ばれます。形状はナシ型・ソーセージ型・円錐型など様々で、大きさもさまざま。大型のものは数キロから数十キロに及ぶものもあります。燻製(アフミカータ)タイプも広く流通しています。
ドルチェとピカンテ:2つのタイプの違い
プロヴォローネには大きく分けて「ドルチェ(Dolce/甘口・マイルド)」と「ピカンテ(Piccante/辛口・シャープ)」の2つのタイプがあり、熟成期間と使用するレンネット(凝乳酵素)の種類によって味わいが大きく異なります。
ドルチェは子牛のレンネットを使い、熟成は2〜3ヶ月程度。生地は白〜淡黄色でやわらかく、ミルキーで甘みのある穏やかな風味です。スライスしてサンドイッチに挟んだり、そのままテーブルチーズとして食べるのに向いています。
ピカンテは山羊のリパーゼ(脂肪分解酵素)を使い、最低4ヶ月以上、長いものでは1〜2年以上熟成させます。生地は濃い黄色になり、より硬くしっかりとした質感に。ピリッとした刺激と強いコクが特徴で、削りかけてパスタやピザに使うのに向いています。
日本で「プロヴォローネ」として販売されているものはドルチェタイプが多いですが、輸入専門店ではピカンテタイプも入手できます。どちらのタイプかによって料理への向き不向きが大きく変わるため、購入時に確認するのがおすすめです。
プロヴォローネの写真
イタリアからの輸入品で「プロヴォローネ・フィアスケット」(Provolone Fiaschetto)です。 「Fiaschetto(フィアスケット)」はイタリア語で小型のフラスコや小瓶の意味があり、すでにカットされているため形状はわかりませんが、その名のとおりやや丸みを帯びたフラスコ型・樽型に成形されて作られるプロヴォローネ。
「Latteria Ca' De' Stefani」(ラテリア・カ・デ・ステファニ)というチーズメーカーの商品です。
2019年3月当時100gあたり931円、121gで1,126円(税込1,217円)でした。
味と食べ方(ペアリング)
ドルチェタイプはモッツァレラやスカモルツァに近い穏やかなミルクの甘みと、ほのかな塩気が特徴。生地は弾力があり、加熱するとよく伸びます。
ピカンテタイプは熟成による旨みの凝縮感とシャープな刺激が加わり、パルミジャーノ・レッジャーノほどではないものの、削りかけるだけで料理にインパクトを与えるコクがあります。
ドルチェは薄くスライスしてパニーノ(イタリアのサンドイッチ)に挟む食べ方が定番で、生ハムやサラミとの組み合わせがよく合います。加熱するとよく溶けてよく伸びるため、ピザのトッピングやグラタン・ラザニアにも活用できます。
ピカンテはそのまま削りかけてパスタやリゾットに使ったり、薄くスライスしてチーズボードに並べるのに向いています。熟成が進んだものはハチミツやくるみと合わせてもよく合います。
燻製タイプ(アフミカータ)はスモークの香ばしさが加わり、そのままかじるだけでもおつまみとして楽しめます。スモーク系の生ハムや赤ワインとの相性が特によく、チーズボードに個性を加えたいときに活躍します。
ワインとのペアリングは、ドルチェには軽めの白ワイン(ソアーヴェ、ピノ・グリージョなど)や辛口スパークリング、ピカンテには厚みのある赤ワイン(バルベーラ、サンジョヴェーゼ、アリアニコなど)が合いやすいです。イタリア南部が原産のチーズだけあって、カンパニア産の赤ワイン(タウラージなど)との組み合わせは産地が共鳴する特別なペアリングです。
購入店
- イータリー 日本橋店(EATALY)(2019年3月)




