ヤールスバーグ

ヤールスバーグ
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    ヤールスバーグ(Jarlsberg)は、ノルウェー産の牛乳製セミハードチーズで、スイス系チーズの仲間に分類されます。ノルウェー南東部オスロの南約80kmに位置する旧ヤールスバーグ地方(現ヴェストフォル県)の貴族ウェデル・ヤールスバーグ伯爵の所領名に由来します。

    歴史は2段階に分かれます。1850年代に農家のアンデシュ・ラーシェン・バッケが現地でこのチーズを作り始め、1855年には県の年次報告書にも記録されています。しかし一時期市場から姿を消し、1956年にノルウェー農業大学のオーレ・マルティン・ユーストゴールが学術研究からレシピを復活・改良した現代版が誕生しました。1830年代にスイス人チーズメーカーがノルウェーに持ち込んだエメンタールの製法が元になっており、その流れを汲む独自の配合で再開発されています。

    「Jarlsberg」はノルウェーの乳業協同組合ティーネ(Tine SA)が1972年に登録した商標で、製法は企業秘密として非公開です。現在はノルウェー本国のほか、アイルランドやアメリカのオハイオ州でもライセンス生産されており、アメリカでは輸入チーズの中で最も人気の高いチーズのひとつです。ティーネ社の輸出量の80%をヤールスバーグが占めるという、ノルウェーを代表する輸出チーズです。

    形状は直径約33cm・高さ約10cmの車輪(ホイール)形で、重さは約10kg。外皮は黄色いワックスコーティングで覆われており、中の生地は淡黄色〜黄色でつやのある滑らかな質感です。チーズ内部には中〜大型の丸い穴(アイ)が規則的に並んでいます。この穴はプロピオン酸菌(Propionibacterium freudenreichii)の発酵作用によるもので、エメンタールの穴と同じ仕組みです。熟成期間は最低3ヶ月で、9・12・15ヶ月以上熟成させたプレミアムタイプも存在します。

    エメンタール(スイスチーズ)との違い

    ヤールスバーグはしばしば「スイスチーズ(エメンタール)の代わりに使える」と紹介されるほど、見た目や用途が似ています。どちらも穴あきの黄色いセミハードチーズで、同じプロピオン酸菌による穴の形成という共通した仕組みを持ちます。
    ただし風味は異なります。エメンタールが強めのナッツ香と複雑なコクを持つのに対し、ヤールスバーグはよりマイルドでバター感があり、ほんのりとした甘みとナッツのような後味が特徴です。エメンタールほど主張が強くないため、幅広い料理や食べ方に使いやすいオールラウンドなチーズといえます。穴の大きさもヤールスバーグの方がやや小さめ〜中程度です。

    ヤールスバーグの写真

    大阪の加賀屋商店街、センターロードにある「愛チーズ」で購入しました。 2014年7月当時100gあたり498円で内容量140gで税込697円でした。

    味と食べ方(ペアリング)

    クリーンで豊かな風味の中に、ほのかな甘みとナッツのような余韻が続くマイルドなチーズです。クセがなく食べやすいため、チーズが得意でない方やはじめて食べる方にも向いています。テクスチャーはしなやかでスライスしやすく、薄切りにしても崩れません。

    薄くスライスしてパンやクラッカーに乗せてそのまま食べるのが最もシンプルな楽しみ方です。ノルウェーでは朝食のオープンサンドイッチ(スモーブロー)のトッピングとして定番です。また、ノルウェーで最も売れているといわれる冷凍ピザ「グランディオーサ」のトッピングチーズとして使われていることでも知られています。
    加熱するとよく溶けてよく伸びるため、グラタン・キッシュ・サンドイッチ・ピザのトッピングなど料理への活用も広く、エメンタールの代わりとして使いやすい汎用性の高いチーズです。

    ワインとの相性は、リースリングやシャルドネなどの白ワインがよく合います。軽めの赤ワインやスパークリングワインとも合わせやすく、ビールとの相性も良いです。ノルウェーらしくアクアビット(北欧の蒸留酒)と合わせるのも一興です。

    購入店

    • 愛チーズ(2014年7月)
    分類
    🧀セミハードチーズ🧀ナチュラルチーズ🇳🇴ノルウェー🐄