エティヴァ(レティヴァ)

エティヴァ(L'Etivaz、レティヴァとも)は、スイス西部ヴォー州のスイスアルプス山中、レ・ザルプ・ヴォードワーズ地域で生産される無殺菌牛乳製のハードチーズです。AOP(原産地名称保護)認定を持ち、2000年にスイスでワイン以外の食品として初めてAOC認定を取得した歴史的な経緯を持ちます(2013年にAOPへ移行)。
名前はこのチーズが生まれた村「エティヴァ(L'Etivaz)」に由来しており、コル・デ・モス峠のふもとに位置する小さな集落です。
このチーズが生まれた背景には、1930年代のグリュイエール生産者たちの「反乱」があります。当時、スイス政府がグリュイエールの製造規制を緩和したことに反発した76軒の農家が、品質を守るために独自のチーズを作ることを決意。1932年に協同組合を設立し、独立したチーズを開発しました。それがエティヴァです。
現在はおよそ130以上のアルプ(夏季の高地牧場)で生産が行われており、約68軒の家族が生産に携わっています。
製造には厳格なルールがあります。標高1,000〜2,000mのアルプ牧場で、牛が屋外放牧している5月〜10月の夏季のみ生産が許可されています。その日の朝に搾った生乳を使い、銅製の釜に入れて薪の直火で加熱・攪拌するという、100年以上前のグリュイエールと同じ製法を今も守っています。釜を薪火で熱するため、チーズの断面に微細なすすの粒が見られることがあるのも、この製法ならではです。
熟成は専用のセラーで5〜13ヶ月かけて行われます。
グリュイエールとの違い
エティヴァはグリュイエールから独立するかたちで誕生したチーズで、グリュイエールとは兄弟のような関係にあります。どちらもスイスアルプスの無殺菌牛乳を使ったハードチーズという共通点がありますが、いくつかの点で明確に異なります。
グリュイエールは年間を通じて生産されますが、エティヴァは夏季の牧草地での放牧期間のみ製造可能です。また薪の直火で加熱するというエティヴァ独自の製法が、グリュイエールにはないスモーキーでより複雑な風味を生み出します。
味わいの方向性もやや異なり、エティヴァはグリュイエールより甘みとフルーティーさが際立つとされ、野草・花・ナッツのような香りが鮮やかに感じられます。生産量が限られるため、グリュイエールよりも希少で入手しにくいチーズです。
エティヴァ(レティヴァ)の写真
群馬県高崎市にあるモンテドラーゴで2014年10月当時100gあたり1,100円で内容量73gなので803円でした。
「プティ・ブリ・ポワブル」も一緒に購入しました。
味と食べ方(ペアリング)
アルプス牧場の野草や野花を食べた牛の乳から作られるため、牧草地を思わせる豊かで複雑な香りがあります。ローストしたナッツ(ヘーゼルナッツ)・フルーツ・花・肉のスープのような深みある旨みが層になって広がり、わずかにスモーキーな余韻も感じられます。生地はシルキーでクリーミーな口当たりです。
素直にそのまま食べるのが最も風味を楽しめる方法で、チーズプレーンで薄くスライスして味わうのがおすすめです。生ハムやドライサラミとの組み合わせが特によく合います。グラタン・ポテト料理・フレンチオニオンスープに溶かして使うのも定番で、フォンデュにも活用できます。
ワインとの相性はスイスのシャスラ(Chasselas)やリースリングなどの白ワインがよく合い、スパークリングのシードルとも合わせやすいです。複雑な風味があるため、あまり個性の強すぎるワインより穏やかな白ワインの方がチーズの風味を引き立てます。
購入店
- モンテドラーゴ(2014年10月)

