カマンベールカルヴァドス

カマンベール・オ・カルヴァドス(Camembert au Calvados)は、フランス・ノルマンディ地方のカマンベール(またはブリー)チーズをベースに、同じノルマンディ産のリンゴの蒸留酒「カルヴァドス(Calvados)」に浸けて熟成させた、白カビ+ウォッシュのハイブリッドとも言えるユニークなチーズです。
日本では「カルヴァドス・ブリー」という呼び名で流通することも多く、カマンベール・オ・カルヴァドス、カマンベール・カルヴァドス(Camembert-Calvados)など複数の表記・名称で見かけることがあります。
カルヴァドスとは、ノルマンディ地方特産のリンゴ果汁を発酵させた発泡酒「シードル(Cidre)」をさらに蒸留して作るブランデーです。同地方では古くからリンゴ栽培が盛んで、カルヴァドスはワインが育たないノルマンディを代表するお酒として地域文化に根づいています。
製法のポイントは、まず通常のカマンベール・ド・ノルマンディ(AOC)やブリーチーズの白カビの外皮を丁寧に削ぎ落とし、カルヴァドスに浸けて香りと風味を染み込ませる点にあります。外皮を除去した後の表面は保護するために細かいパン粉がまぶされており、このパン粉の衣ごと食べることができます。製造者によってはカマンベールではなくブリーをベースにするケースもあり、使用するチーズや浸け方の違いにより風味に個性が出ます。
カマンベール・ド・ノルマンディとの違い
ベースとなるカマンベール・ド・ノルマンディは、ノルマンディ産生乳を使い白カビ(ペニシリウム・カメンベルティ)で熟成させたAOC(原産地名称管理)チーズです。白カビの外皮、ほのかにキノコや土を思わせる香り、とろりとクリーミーな内部が特徴の白カビタイプに分類されます。
カマンベール・オ・カルヴァドスはその白カビ外皮を除去してカルヴァドスで処理しているため、白カビタイプとウォッシュタイプの中間のような性質を持ちます。白カビ特有のミルキーな甘みと菌のアロマは残りつつ、カルヴァドスのリンゴの蒸留香と厚みが加わり、全体の風味がより複雑で深くなっています。
また外皮がパン粉に置き換わっているため、見た目も通常のカマンベールとは大きく異なります。外皮をそのまま食べられるのもこのチーズならではの特徴です。
カマンベールカルヴァドスの写真
2014年5月当時100gあたり1,019円で、内容量155gで1,579円(税込1,706円)でした。
「シュロップシャーブルー」と一緒に購入しました。
味と食べ方(ペアリング)
カットする前からカルヴァドス由来のリンゴの芳醇な香りが立ちのぼります。内部の生地はカマンベールらしいとろりとクリーミーな質感で、ミルキーな甘みとコクが口に広がります。そこにカルヴァドスのフルーティな余韻とほのかなアルコールの香りが重なり、チーズとお酒のどちらも好きな人にはたまらない複雑な風味が楽しめます。
キノコのような香りが感じられるのも特徴のひとつで、白カビの旨みがカルヴァドスで引き出された結果です。
シンプルにバゲットやクラッカーに乗せて食べるのが最もおすすめです。パン粉の衣ごと食べることで、サクっとした食感と内部のクリームのコントラストが楽しめます。
オーブンで軽く温めて焼くと内部がさらにとろりとなり、香りも開いてより美味しくなります。焼いたものをハチミツやりんごのスライスと合わせると、スイーツ感覚でも楽しめます。
お酒とのペアリングは、同じノルマンディ産のカルヴァドス(リンゴのブランデー)との組み合わせが最も自然で相性抜群です。産地が同じ「テロワール(土地の風味)」を共有しているため、お互いの風味が見事にマッチします。
シードル(リンゴの発泡酒)もノルマンディの定番ペアリングで、炭酸の爽快感がチーズの濃厚さを切ってくれる組み合わせです。ワインはコクのある白ワインや甘みのある白(ゲヴュルツトラミネールなど)とも合いますが、カルヴァドスとシードルが最もこのチーズらしい楽しみ方と言えるでしょう。
購入店
- チーズ王国 富山大和店(2014年5月)




